“サバイバルホラー”というジャンル名を聞いたことはないだろうか? このジャンルを切り拓き、確立したのが第1作『バイオハザード』だ。
1996年、カプコンは1本のゲームをPlayStationで発売した。その作品の中では、プレイヤーは迷路のように入り組んだ洋館を舞台に、人を襲って喰らうゾンビ、窓を突き破って出現するゾンビ犬、さらには異形のクリーチャー、B.O.W.(有機生命体兵器)の脅威を退けつつ、”謎”を解き明かし、生き延びることを要求される……。それまで味わったことのないゲームプレイ、もちろん、この作品こそが原点となる第1作『バイオハザード』だった。
極限状態の“恐怖”の中、脅威との“戦闘”、脱出口求めての“探索”、限られた物資の“アイテムマネジメント”。4つの要素が織りなす新たなプレイ体験、それこそ“サバイバルホラー”だったのだ。
瞬く間にゲームファンの心を掴んだ『バイオハザード』は、数々の続編やスピンオフ作品を生みだした。さらにはCG映画やハリウッドでの実写映画、テーマパークでのアトラクション化などゲームの枠を超え、世界中で愛されている。
「バイオハザード」をどこから始めるか。それはプレイヤーが何を求めるかにより決まってくる……。
何百万人ものPlayStationプレイヤーが体験したのと同じようにサバイバルホラーを体験したい方には、原点である第1作『バイオハザード』のリメイク版である本作をおすすめしたい。独特の固定カメラ視点に加えて、サバイバルホラーの根幹をなす「恐怖」「戦闘」「探索」「リソースマネジメント」、4つのピラーの絶妙なバランスが味わえ、シリーズの基本的な設定や世界観を知ることもできる。
現代のグラフィック表現で“名作”に触れたい方にうってつけの1作が『バイオハザード RE:2』だ。20数年前に発売された原作の“コア”を忠実に守りつつ、カプコンが誇るゲームエンジン“RE ENGINE”のもたらす最先端のビジュアルやゲームトレンドを取り入れ、現代に甦らせた作品に仕上がっている。当時のゲームファンを熱狂させた“面白さ”に、勝るとも劣らないプレイ体験を与えてくれる傑作だ。
より迫力のある、アクション重視のサバイバルホラーを楽しみたいなら『バイオハザード4』がピッタリだ。固定カメラ視点から“ビハインドビュー”という独自のTPS視点に変革を遂げ、アクション性も大きく増している。以降のシリーズ作だけでなく続く多くTPS作品に影響を与えたマスターピースと言えるだろう。
“最新作から始める”のは王道の選択肢だ。『バイオハザード ヴィレッジ』と、その前日譚にあたる『バイオハザード レジデント イービル』では、一人称視点“アイソレートビュー”ならではの新時代の“恐怖”と、等身大の主人公“イーサン・ウィンターズ”のドラマを存分に味わうことができる。
ラクーンシティ、そして世界を震撼させた事件の元凶。巨大製薬企業アンブレラ。
すべての発端となる“洋館事件”のさらに前日譚を描く。クリスやジル達に先行して現場へ向かったS.T.A.R.S.ブラヴォーチームに何が起ったのか? S.T.A.R.S.隊員のレベッカ・チェンバースと死刑判決を受けた元軍人ビリー・コーエンが洋館事件のはじまりへと迫る。
後に”洋館事件“と呼ばれる事件を描く。S.T.A.R.S.アルファチームの隊員クリス・レッドフィールドとジル・バレンタインは、ラクーンシティ郊外で消息を絶ったブラヴォーチームの捜索にへ向かうが、謎の怪物の襲撃を受けて近くの洋館へ避難する。そこには想像を超えた恐怖が待ち受けていた。
“洋館事件”から数ヶ月後――。ラクーンシティは謎のウィルス感染により、屍者の街と化していた。赴任したばかりの新人警官レオン・S・ケネディと、兄クリスの消息を求めて街を訪れた女子大生クレア・レッドフィールドの決死の脱出行が始まる。
レオンとクレアがラクーンシティを訪れる数時間前――。洋館事件から生還したジル・バレンタインは証拠を掴むべく、ラクーンシティに留まっていた。そんな中、ウィルスの爆発的感染が街を襲う。そして、その機に乗じて事件の真相を知る者を抹殺すべく、試作生物兵器”ネメシス”が投入される。
“ラクーンシティ事件”から3ヶ月後、クレア・レッドフィールドは単身向かったヨーロッパで捕らえられる。絶海の孤島、ロックフォート島のアンブレラ私設刑務所に収監されたクレアは、同じく収監された青年スティーブ・バーンサイドと行動することに。
「バイオハザード」の舞台は世界規模。メインキャラクターたちは世界を股にかけてB.O.W.と戦う。
ラクーンティ事件から数年後。レオン・S・ケネディは大統領直轄のエージェントへと成長していた。誘拐された大統領令嬢の探索任務を帯び、ヨーロッパの閑村を訪れた彼は異形の姿へと変貌した村人の襲撃を受ける……。
洋館事件を生き延びたクリスは対バイオテロ組織“BSAA”を設立し、自らも隊を率いていた。クリスはアフリカ某国の自治区での生物兵器取引調査をきっかけに、全世界を巻き込むバイオテロ事件へと巻き込まれてゆく。仇敵アルバート・ウェスカーとの決着を描く雄編。
東欧、中国、そして合衆国。世界で同時多発的に発生するバイオテロを描く。クリス・レッドフィールドとレオン・S・ケネディ、ウェスカーの息子ジェイク、そしてエイダ・ウォン。4つの物語が世界を舞台に複雑に絡み合う。
シリーズは没入型の一人称視点に移行し、恐怖はさらに進化する。
妻の消息を求めてルイジアナの邸を訪れたイーサン・ウィンターズ。そこで彼は狂気に満ちたベイカー一家と出遭い、混沌へと投げ出されることに。最新作『バイオハザード ヴィレッジ』の前日譚でもある本作はシリーズ最恐の呼び声も高い。PS VRに対応しており、究極の没入感と更なる恐怖を味わう事も出来る。
事件から生還し、静かな生活を取り戻したイーサン・ウィンターズ。しかし彼の平穏は英雄クリス・レッドフィールドの手で破られる。奪われた娘を取り戻すため、イーサンは邪悪と狂気に満ちた村での決死行へと挑む。
ナンバリング作品では語られなかったミッシングリンクを描く、“リベレーションズ(真実)”シリーズ。
『バイオハザード4』と『5』の間の時間軸を舞台に、設立まもないBSAAでのジル、クリスの活躍を描いた作品。消息を絶ったクリスを捜索するジルがたどり着いたのは、地中海に浮かぶ船籍不明の豪華客船。ジルは罠とクリーチャーの数々が待ち受ける船内へ侵入するが、それは巨大な陰謀の序曲に過ぎなかった……。
『バイオハザード5』と『6』の間に起こった事件を描く。捕らえられ、孤島に収監されたクレア・レッドフィールドたちの“脱出”と、彼らを“救出”すべく現地に向かったBSAAアドバイザー、バリー・バートン、2つのサバイバルが描かれる。
「バイオハザード」は各作品がそれぞれで完結しつつも、同じ世界観を共有することで、さらに味わいを深めているシリーズです。なのでどの作品からでもシリーズに入ってゆくことが出来ます。上記の「初めてプレイするなら」の項目が参考になるかもしれません。
「バイオハザード」の魅力として“恐怖”は非常に重要ですが、沢山のゲームファンに愛される理由は他にもあります。
例えばどの作品にも記憶に残る魅力的なキャラクターたちが登場します。時には過去シリーズの人気キャラクターもアッと驚く形で再登場し、何十年にも渡って進化し続ける世界に深みを与えています。
魅力的なキャラクターとプレイヤー自身が恐怖に立ち向かい、そして打ち勝つ爽快感が「バイオハザード」シリーズの醍醐味の1つなのです。
「バイオハザード」の世界をすべて知り尽くしたいなら、確かにその通りです。しかし、各作品は世界観を共有している一方、それぞれが独立した物語として完結しているので、気になった作品をプレイすれば「バイオハザード」の世界を十分に楽しむことができます。
作中で語られる別作品のあらすじや、フィールド上に配置された環境ストーリーテリング、ゲーム内のメモや日記などから、「バイオハザード」世界の壮大な広がりを味わうことができます。
「バイオハザード」シリーズには様々な困難が待ち受けますが、プレイヤーにとって理不尽な難易度にならないよう絶妙に調整されており、それこそが世界的な人気を誇る理由の一つです。
難しいと感じる方へのアドバイスとしては、生き残るために武器や回復薬と言った資源=リソースを戦略的に使う事が挙げられます。やみくもに敵を殲滅するのではなく、敵をやり過ごしたり、近道を発見したりすることで弾薬や体力を温存することが出来ます。
ゾンビは「バイオハザード」シリーズ、特に初期作品のアイコニックなクリーチャーですが氷山の一角にすぎません。例えば、爬虫類のような分厚いウロコに鋭いカギ爪の手足を備えた“ハンター”や、鋭敏な聴覚を持ち、長く伸びた舌で獲物を狙う“リッカー”など、一筋縄ではいかない習性のクリーチャーが次々に登場します。
また、事件の元凶の多くは“人間”です。グロテスクなクリーチャーを操って主人公たちの命を狙う彼らは、おぞましい秘密や動機を抱えており、「バイオハザード」シリーズの世界にさらなる恐怖や多面性をもたらしています。
カプコンのオフィシャルショップでは「バイオハザード」シリーズ関連商品も販売中。グッズをゲットして最高の25周年にしよう!
初登場:バイオハザード
対バイオテロ部隊“BSAA”の創設メンバーの一人であり、実働部隊で部隊長を務める。洋館事件として知られる1998年のスペンサー邸での経験により人生が一変したクリスは、生物兵器の根絶とバイオテロとの戦いを自らの使命としている。
初登場:バイオハザード
対バイオテロ部隊“BSAA”の創設メンバーの一人。デルタフォースで数々の特殊技能を学んだエキスパートで特殊部隊S.T.A.R.S.の隊員であった。洋館事件の後のラクーンシティ事件の数少ない生存者でもあり、事件後はクリスと共にバイオテロとの戦いに身を投じている。
初登場:バイオハザード2
合衆国大統領直属のエージェント。ラクーンシティ事件の数少ない生存者で、事件当時は市警察署の新人警官であった。高いサバイバル能力を買われて抜擢された。数々の困難なミッションを完遂させている。
初登場:バイオハザード2
ラクーンシティ事件の数少ない生存者の一人。クリス・レッドフィールドの妹であり、兄に習ったサバイバルスキルもあって生還することが出来た。事件後はNGO団体“テラセイブ”のメンバーとなり、バイオテロや薬害による被害者救済のため奔走する。
初登場:バイオハザード7 レジデントイービル
特殊部隊員でもエージェントでもない一般男性。妻ミアの消息を求めてルイジアナへ赴き“ベイカー邸事件”に巻き込まれることに。事件から生還後はBSAAの保護下に置かれていたが、クリス・レッドフィールドの襲撃によって再び事件に巻き込まれることに。
初登場:バイオハザード
元S.T.A.R.S.アルファチーム隊長にしてアンブレラ社のエージェント。そのアンブレラ社も裏切り、洋館事件の後は数々のバイオテロ事件の裏で暗躍する。ウィルスの完全適合者であり超人的な身体能力でクリスの前に立ちはだかる。
初登場:バイオハザード2
アンブレラ社時代のウェスカーの同僚で、研究成果を得るためには手段を選ばない科学者。G-ウィルスの開発者だが。窮地に追い詰められた彼は自らにG-ウィルスを投与し異形のクリーチャーへとなり果てる。
初登場:バイオハザード4
ロス・イルミナドス教団の教祖であり、ヨーロッパのとある村の村長に取り入り、封印されていた寄生生物“プラーガ”を入手した。プラーガは寄生した人間をマインドコントロールできる寄生生物で、サドラーはこのプラーガを用いて世界の支配を目論んでいた。
初登場:バイオハザード7 レジデント イービル
全身に狂気を湛えたベイカー邸のあるじ。元々は平凡な良き父親だったジャックだが、ある事件をきっかけに豹変し、彼の農場近くでは失踪事件や猟奇事件が後を絶たない。不死身と思えるほどの肉体でイーサンを追い詰める。
初登場:バイオハザード ヴィレッジ
ヨーロッパの閑村にそびえるドミトレスク城の城主でマザー・ミランダに仕えるY四貴族の一角。巨大な体躯は無限と思えるほどの回復能力も備える。3人の娘を従えている。
初登場:バイオハザード
死体のように見えるが「バイオハザード」シリーズに登場するゾンビたちは生きている。ゾンビ化はt-ウィルスへの感染によって引き起こされる。異常な代謝促進によって不死にも見えるほどの体力を獲得する一方、知性を失い、猛烈な飢餓にのみ衝き動かされる存在となる。
初登場:バイオハザード2
t-ウィルスに感染し、ゾンビ化した個体の中にはさらなる変異を遂げるものがある。リッカーはその恐ろしい成れの果ての一つである。急激な変異で表皮を失ったクリーチャーで、鋭い爪を備えた4本の足で壁や天井を這い回り、肥大化した舌を武器にして獲物に襲いかかる。目が見えない代わりに鋭敏な聴覚をもっている。
初登場:バイオハザード3 ラストエスケープ
“追跡者”としても知られるネメシスは、B.O.W.タイラントと知能を制御する寄生生物の融合によって作られた試作生物兵器で、武器を使いこなすほどの知性を持つ。すさまじい再生力を誇り、どこまでも執拗にターゲットを追跡し続ける。
初登場:バイオハザード4
オズムンド・サドラーによって生み出された犠牲者の一人。この“ガナード”(寄生生物プラーガに身体を奪われた村人)は、麻袋を被ってチェーンソーを振り回し、嬉々として侵入者を斬首する。宿主となった人間の身体は高い耐久力を得ており、激しい攻撃をものともせずに襲い掛かってくる。
初登場:バイオハザード ヴィレッジ
狼男のような姿をした残忍なクリーチャー。鋭い牙と爪を持ち、集団で獲物=プレイヤーを追い詰める狩人だ。
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