人間やエルフ、ドワーフなどと、数多の怪物が存在する剣と魔法の世界。ここには、人々からの依頼を受けて怪物狩りを行う“ウィッチャー”という者たちがいた。ウィッチャーは、秘術と人工的な変異、そして数多の試練により驚異的な力を得た人々だ。
“白狼”の異名で呼ばれる“リヴィアのゲラルト”もウィッチャーの1人。先の冒険で王殺しの汚名を返上し、政治的な駆け引きから解放された彼は、行方不明となっているかつての恋人・イェネファーと養女・シリを捜すため、北方諸国とニルフガード帝国の大戦に揺れる乱世を旅していく——迫り来る魔軍の騎行“ワイルドハント”の気配を感じながら。
本作『ウィッチャー3 ワイルドハント』は、ポーランドの国民的作家であるアンドレイ・サプコフスキ氏の著作『Wiedzmin』シリーズ(日本でも第1巻が『エルフの血脈〈魔法剣士ゲラルト〉』というタイトルで邦訳されている)を元にした、アクションゲーム『ウィッチャー』シリーズの第3作。オープンワールドとして表現された広大な大地を舞台に、ゲラルトが前作以上に壮絶な戦いを繰り広げていく。
本作は、シリーズで初めて完全日本語ローカライズに対応している。メインクエストやサブクエストはもちろん、村人の雑談や吟遊詩人の歌声まで、あますことなく日本語フルボイス化。本作における吹き替え音声の台詞数は、海外製RPGのローカライズ史上でも最大級となっている。なお、英語音声への切り替えにも対応しているため、日本語字幕+英語音声でのプレイも可能だ。
作中の世界は、プレイヤーの行動次第で複雑に様相を変えていく。例えば、とある地域の怪物を退治すると人の往来が増えて付近の町の経済が活性化する。しかし、怪物がいなくなったことで盗賊が跋扈し始める……というように、プレイヤーの行動はさまざまな方面へと波及的に影響する。またプレイヤーが見ていないところでも、さまざまな事態が進行する。
さらに本作の物語はノンリニア形式となっていて、世界の情勢から影響を受けて徐々に変化していく。どのような道筋を辿り、どのような結末を迎えるのかは、すべてプレイヤー次第だ。
レダニア王国の沿岸部に位置する“ノヴィグラド”は、ゲーム内で2,000人以上の人々が暮らす大都市。美麗な建物や華やかな人々が目を引くと同時に、地下ではいくつもの犯罪組織が跳梁跋扈し、“永遠の炎”と呼ばれる宗教団体による魔術師の弾圧がおこなわれている危険な街でもある。血と欲望が渦巻く街であるノヴィグラドでは、文字通り人々の欲望を満たす施設がいくつも軒を並べている。
北方諸国とニルフガード帝国による戦火に焼かれ、統治する者を失った広大な“ヴェレン”という名の地域を、人々は“主無き地”と呼んでいる。この地には多種多様な怪物たちがはびこっている。また、冒険のさなか謎めいた遺跡を発見することもあるだろう。加えてこの地では“妖婆”と呼ばれる奇怪な存在への信仰が根付いているという……。
北方諸国の西岸を外洋に出ると“スケリッジ諸島”がある。大小さまざまな島からなるこの地域は、複数の部族からなる集合国家。この地に住む人々は勇猛で、誇りと名誉を何よりも重んじる。また、ドルイドと呼ばれる僧が自然と共生している地でもあり、毎晩のように酒場で吟遊詩人が曲を奏でる陽気な地でもある。ニルフガード帝国に北方諸国が次々と侵略されていく様を目の当たりにし、スケリッジの各部族はみな軍備を強化し、来たる戦争の準備を行っている。
ゲラルトは2種類の剣を背中に装備している。左側には鋼。盗賊や野獣に立ち向かうときに有効。右側につけているのはウィッチャーの銀の剣。グリフィンや亡霊、人狼のような大型の敵のための武器。敵の体力ゲージが灰色の場合は銀の剣が有効な怪物、赤色の場合は鋼の剣が有効な敵であることを示す。常にチェックするようにしよう。
ウィッチャーは強力な霊薬を調合して一時的に強さや体力を上げたり、特殊能力を取得したりすることができる。ゲームを進めていくと新しい調合方法を入手できる。ただしゲラルトが摂取できる量には限界があるので注意。必要な霊薬のみを摂取し、緑色の“中毒度”ゲージが体力ゲージ以下にならないように注意しよう。
モンスターハンティングを成功させる鍵は周到な準備だ。敵のことを知っておくかどうかで結果が全く異なる。怪物図鑑で情報を確認しよう。敵の強さと弱さを知り、闘いの前に必要なことをすべて知っておくと良いだろう。
アイテムは店にも置いてあるが、特殊なものはオーダーして製作しなければならない。鎧職人と鍛冶屋に頼めば少額で必要なアイテムを製作してくれる。設計図と必要な素材を渡そう。戦闘で損傷した防具や武器の修理もしてくれる。
ゲラルトは錬金術によって戦闘に役立つ数々のアイテムを作り出すことができる。オイルを剣に塗っておくと乱戦で使う度に追加ダメージを与えることが可能だ。爆薬にはさまざまな種類の効果があり、戦闘はもちろんそれ以外でも使える。一度作成したら以降は自動的に補充される。その際に必要となるのは強い酒類だ。
必要なアイテムを得るにあたって探索して獲得するのは安くつくが、同時に時間もかかる。商人から購入するのは楽だが、それ相応のお金が必要。まずは自分の所持品を確かめるのが良いだろう。不要なアイテムは鍛冶屋に分解してもらえば素材に戻るので、必要なものは実は手元にあったということもありうるぞ。
依頼として討伐を請け負う際は報酬額を交渉できるが、法外な額を指定すると当然ながら相手を怒らせてしまう。また、先に怪物を退治してから報酬を要求することも可能だ。その他、依頼の怪物と討伐した怪物が異なりトラブルに発展する場合もある。
装備と知恵を駆使して怪物を討伐したら、切り落とした首などを証として入手しよう。証と引き換えに得た報酬の使い道は、これもまたプレイヤーの自由だ。霊薬や爆薬の素材を購入したり、武器や防具の強化に使ったり、色街に繰り出して好みの女性と一夜を過ごしたり……!
戦闘システムは、リアルタイムかつアクション性重視のシステムが採用されている。剣を振るうだけでなく、罠を使ったりフィールド上のオブジェクトを利用したりと、さまざまな手段を駆使して戦おう。
盗賊団の頭領、オルギエルド・フォン・エヴェレックを倒す依頼を引き受けたリヴィアのゲラルト。オルギエルドは、その身体に不死の力を宿すという。『無情なる心』は、10時間以上の新しい冒険と、新しいキャラクター、強力な怪物、新たなロマンス、そしてプレイヤーの選択によって変化する新しいクエストが追加される。
戦火の影響を受けていない、常夏の渓谷へようこそ! この地には、すばらしいワイナリーが立ち並び、放浪の騎士や貴族の淑女があふれかえっている。そんな美しい王国が、度重なる野蛮な虐殺劇で滅亡の危機に瀕していた。ゲラルトは最後の依頼を引き受ける。『血塗られた美酒』は美と恐怖がぶつかり合い、愛と嘘が共に舞い躍る20時間以上の冒険が可能だ。